FR4.0の「4.0」は第四世代を表す数字です。
2004年に最初のカーボンフレームがリリースされてから約20年。
第一世代からのFシリーズカーボンロードバイクを振り返ります。
以前のFR4.0紹介記事はコチラ
第一世代 FELT F1C 2004~
創設者のジムフェルトが元EASTONの金属パイプ技術者だったことから特にアルミフレームの設計に定評のあったFELTですが、2004年に初めてフルカーボンフレームとなるF1Cをリリースします。
それまではアルミ系合金であるスカンジウムのSC1をハイエンドに据えていましたが、F1CではSC1に匹敵する軽量性を持ちながら大幅な剛性アップとなりました。
2004年~2006年の間はスカンジウムと併売というかたちをとりますが、2007年以降はFELTの上位モデルはカーボンのみとなっていきます。
TREK MADONE(2003)、ORBEA ORCA(2003)、SCOTT CR1(2004)など、現在の定番となっているカーボンロードバイクのモデルたちも近い時期にスタートしているので、このあたりがプロのロードレースシーンでもカーボン化の流れが強くなった時期といえるかもしれません。
2009年には上位モデルとしてさらに軽量なF1SLが追加され、当時のGARMIN SLIPSTREAMチームの活躍を支えました。
第二世代 FELT F1 2011~
2011年のフルモデルチェンジでは、BB30対応、ヘッドベアリングの上下異径化など、当時最先端のスペックを手に入れました。
フレーム剛性の高さ由来の乗り心地の悪さはありましたが、軽量性と動的性能の高さは大変優れており、マルセル キッテル(ARGOS SHIMANO)の勝利量産は覚えている人も多いと思います。
2015年には真のハイエンドとなるフレーム重量700g台のF FRDも追加されました。
第三世代 FELT FR1 2017~
6年の時を経て、Fシリーズは新たに「FRシリーズ」としてフルモデルチェンジをしました。
重量剛性比だけの時代から脱却して、プロのレースで求められる「長距離を走った後もスプリントする脚力を残せるようなフレーム」として新たな視点で開発されたフレームです。
第二世代Fシリーズで弱点とされた剛性の高さ由来の乗り心地の悪さは、フレームサイズ毎にヘッドベアリングのサイズを変更し剛性を最適化するという大変コストのかかった設計によって大幅に改善されることになりました。
2018年には初のディスクモデルとなるFR1 DISC(後のFR ADVANCED)も追加となり、FRリムブレーキの弱点であったBB下ブレーキのワイドタイヤの使いづらさもクリアしています。
第四世代 FELT FR4.0 2024~
第三世代FR DISC自体も非常に完成度の高いフレームではありましたが、しいて言えば「ケーブル外装による空力性能の悪さ」「ヘッドサイズがリムブレーキに最適化されているので小さめのサイズのディスクフレームでは剛性がアンバランス」といった点は気になるところではありました。重箱の隅をつつくようなものですが。
「長距離を走った後もスプリントする脚力を残せるようなフレーム」という基本思想は維持しながらも、新たにディスクブレーキ専用として設計されたFR4.0はケーブルのフル内装にも対応しており、上記の弱点についても完全に対応してきたものとなります。ステム部分からケーブルを外装にして一般的なハンドルバーを使用することも可能となっていますので、メンテナンス性やポジションの自由さを優先する場合はそのような選択が可能な点も嬉しいです。
現在FELTのロードバイクラインナップはFRとARの2本柱となっています。
もちろん空力性能ではエアロロードであるARが優れているのは疑いようもありませんが、Fシリーズの世代から重ねてきた改善の数々もあってトータルの完成度という点ではFRが一歩先に進んでいます。長所短所がわかりやすいARに対して、弱点が見つけづらいのがFRという印象でしょうか。
一見オーソドックスな外見は見た目のインパクトこそ少し弱いかもしれませんが、乗ってみたらわかる完成度の高さというものがあります。
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それでは素敵なサイクルライフをお過ごしください。