速いのは当たり前「FELT AR FRD」

速いのは当たり前「FELT AR FRD」

2023年07月16日

皆様こんにちは。

CROWN GEARSのブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

本日はFELTのエアロロード、「AR FRD」を3世代のARを乗り継いだスタッフ目線でご紹介いたします。

 

ディスクブレーキモデルとして新しく生まれ変わった3代目の「AR」。

FELT ARシリーズと言えばCERVELOのSOLOISTと並んでエアロロードの時代を切り開いたモデルとなりますが、

そのバイクとしての性格は初代、2代目、そして今回の3代目では大きく異なっています。

2008年にデビューした初代AR1は歴代で最も薄いダウンチューブを持っています。結果としてダウンチューブからBBにかけての横剛性が控えめな作りとなっており、足当たりが良くイーブンペースでの巡行には優れるものの、ダンシングやスプリントでは扱いづらいという面がありました。長距離を走ってもかなり足を残しやすいバイクなので最近の言葉で言えばエンデュランスロード的なエッセンスがあったと言えるかもしれません。

2014年に発表された2代目ARは新たにFRDグレードが追加され、大幅な軽量化が図られました。その結果登板性能については劇的に改善され、オールラウンドに使用できるレーシングバイクとしての性能を手に入れています。BB30の採用とヘッド周りの大口径化で大幅な剛性アップも果たしていますが、かなり縦剛性に偏ったところがあり、初代ほどではありませんがダンシング時の振り方にはやや癖があるバイクでした。

 

そして2020年に満を持して発表された第三世代のARは「ロー・ヨーアングル・セオリー」に基づいて設計されている(=進行方向左右10度以内からの向かい風に最適化)のもトピックではありますが、初代~2代目と続いてきた横剛性の不安を完全に払拭しているのも重要なポイントです。

スルーアクスル化による足回りの強化に加えて、非常に高剛性なエアロカーボンステムの使用とBB386の採用により縦横に全く不安のない剛性感を備えています。3代目ARのデビュー戦であった2020年1月のツアーダウンアンダー女子にてスプリンターのクロエ・ホスキングが勝利していることからもスプリントの負荷に耐える剛性があることが伺えます。

過剰気味な縦剛性は乗り心地の悪化に直結する部分ですが、エラストマースリーブのダンパー付きシートポストとドロップタイプのシートステイにより縦方向に可動部分を作り、必要十分な乗り心地は確保されています。

旧来よりFELTのロードバイクはバックステーの剛性が高く反応性が良い一方でトラクションコントロールが難しい傾向にありましたが、この縦方向の柔軟性によってリアセクションのトラクション性能も大幅に改善されています。これは先行してドロップタイプのシートステイを導入しているトライアスロンモデルのIAシリーズからの技術的フィードバックもあるのかもしれません。

またディスクブレーキ化によりタイヤクリアランスは最大30Cまで対応となっており、リム外幅もフロント35mm/リア33mmあたりまでは許容する余裕があります。第2世代ではBB下ダイレクトマウントブレーキを採用した結果リム幅の制約が大きかった部分もあるので、時代に即した改善と言えます。

 

実際乗った印象としても、特に下り坂においては明らかに空力の良さ由来の速さがあります。平坦路~緩斜面だと乗っている時点だと差が分かりにくかったりする部分もありますが、同じように乗ったつもりでもライドログではタイムを更新していたりと、空力の良さはコンスタントに効いているのだと思います。普通のサイクリングでも当たり前に速いのでこういった部分の積み重ねは地味かもしれませんがアドバンテージです。

見た目は純然たるエアロロードではありますが、剛性的なアンバランスさもなく普通のロードバイクのようなハンドリングで扱える点はとても良い部分だと思います。見た目に反してダンシングの挙動もかなり自然なものになっています。

専用ステムやシートポストエラストマーによりやや重量が嵩む部分があり(Red AXS組でペダル込7.7kg程度)、軽量モデルのFRと比較してしまうと漕ぎ出し等では重さを感じる部分もありますが、ステムの剛性が過剰に感じる場合は一般的なタイプのステムへの付け替えも対応しているので、軽量化と剛性の調整をすることもできます。

一番気になるポイントはFRDとADVANCEDのグレード差の問題だと思いますが、具体的なところでフレームとフォーク分のトータルの重量差は実測300g弱程度となります。乗り味としてはFRDの方が僅かに硬い印象がありますが、正直に言って平坦路での走行ではその差は非常にわかりづらいものとなっています。

純粋なエアロロードの苦手な分野と言えばある程度長さと斜度のある登りになるかと思いますが、それに限って言うとFRDの方が許容できる登りの長さが長くなるようなイメージになりますので、用途で分けずに一台のバイクで幅広いシチュエーションをカバーすると考えた場合、FRDを選ぶ意味があります。

 

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FELT (フェルト) AR FRD ultimateエアロロードバイクシリーズ

 

 

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それでは素敵なサイクルライフをお過ごしください。

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