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10月15日に宇都宮で開催される国内最高のロードレース「
ジャパンカップのレース紹介からの連載となっていますので、 未読のかたはぜひ前記事もご覧いただければ幸いです。
サイクルロードレース界には世界中に多くのチームがあります。
男子チームに絞ってお話をしてしまいますが、その中でUCI国際ライセンスを得ているチームが36チームあります。
最上位クラスがUCIワールドチームと呼ばれ18チーム、セカンドクラスがUCIプロチームと呼ばれる18チームとなっています。
チームのメンバーや運営体制、財政状況などをUCIが審査して1年ごとにライセンスが発行される仕組みになっていて、クラスごとに出場を義務付けられるレースなどが設定されていたりします。
例えばツールドフランスのようなUCIワールドツアーレースにはUCIワールドチームは18チーム全チームが出場必須、それに加えて4チームほどのUCIプロチームが主催者による選抜で出場する決まりになっています。
レースのセカンドクラスとなるUCIプロシリーズのHCレースに今回のジャパンカップは分類されていて、UCIプロチーム以上が10チーム以上出場することとなっています。
ちなみに国内のプロチームは、UCIプロチームよりも1つ下のクラスとなるプロコンチネンタルチームまでとなっていて、これは各国の競技団体(日本ではJCF=日本自転車競技連盟)がライセンスを与えています。
さて、前置きが長くなりましたが、今回紹介する「チームノボノルディスク」はジャパンカップ常連のUCIプロチームです。
本拠地はアメリカで、チームの最大の特徴として選手全員が1型糖尿病患者で構成されているという点が挙げられます。
病気を持ちながらもスポーツ界で活躍し、同様に病に苦しむ人々を勇気づけるという使命を持って戦っているチームとなります。
チーム名の「ノボノルディスク」はデンマーク本社の世界的な製薬企業の名前でインスリン製剤なども扱っています。
サイクルロードレースではメインスポンサー企業の名前や製品ブランド名などをチーム名とすることが一般的です。
余談ですが、1970~80年代には日本のPanasonicや東芝がプロチームに名を連ねていたこともありました。
メインスポンサーとしての契約は1年から数年ほどで更新することが一般的で、「スポンサーメリット」=「レースによる広告効果」となるサイクルロードレースではすぐにスポンサーが撤退します。
毎年目まぐるしくチーム名が変わるので、去年までこれこれというチームだったところが今年は何某になっていて、メインカラーもスポンサー企業のイメージカラーに合わせて全然違う、でも選手や監督などのチームメンバーは引き継がれているから同じチーム、という状況になり、サイクルロードレース観戦初心者の混乱ポイントのひとつになっています。
野球やサッカーなど他のスポーツであれば、試合会場の入場料などからスポンサーは収益を得ることができますが、サイクルロードレースは沿道で無料観戦するスポーツですので、これがありません。他に収益としては大きなレースでのTV放映権料の分配ぐらいなものでしょう。
「広告効果」をどれだけ見積もるかによって、メリットが薄いと思えばスポンサー終了となってしまい、ビッグチームであってもチーム運営陣は常にスポンサー探しをしています。
話がやや暗い方向にそれてしまいましたが、「チームノボノルディスク」はその成り立ち上、安定してノボノルディスク社がスポンサーを続けており、
「広告効果」とは別の「使命」を持って活動しているという点で、サイクルロードレース界において稀有な存在と言えます。
自転車選手はアスリートとして、他の競技に比べてもトレーニングや食事制限などでよりストイックな生活を送っていますが、ノボノルディスクの選手たちはそれに加えて病気によるリスクに備え一層の努力を積み重ねています。
昨年はヨーロッパツアーのレースでの勝利も上げており、宇都宮でも活躍を見せてくれることでしょう。
ちなみに「チームノボノルディスク」はカナダのバイク「ARGON 18」を使用しています。
ヘッドチューブ長を調整する「3Dヘッドシステム」など独自の機構に定評があり、ワールドツアーチームでの活躍も記憶に新しいところです。
今大会では最新のエアロオールラウンダーバイク「SUM PRO」を駆って出場してくるものと思います。
国内ではまだあまり見かけないモデルかと思いますので、ぜひその走りに期待してください。
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